一般社団法人CB工法協会

近藤 佳裕さま

建設業界全体の人手不足により、工期の長期化、建設費の増大が深刻化。早急な解決策が求められる中、「一般社団法人CB工法協会」が溶接の作業効率を飛躍的にアップさせる「鉄筋自動溶接機」を開発し、注目を浴びています。じつはこのプロジェクトを立ち上げた同協会理事の近藤佳裕様は、リンカーズのコーディネーターとしても活動されています。同プロジェクト立ち上げにあたり、初めてリンカーズのパートナー探索を利用された近藤様に、その経過とご感想をうかがいました。

専門家集団からは、実用的・独創的な発想が出てきにくい。

まずCB工法と、CB工法協会について教えてください。

CB工法とは鉄筋の溶接継手の技法のひとつで、セラミックス製の裏当て材を用いて鉄筋を溶接するのが特徴です。溶接後、セラミックを割って外すことでちゃんと繋がっているかどうかが外観を目視で確認できる点が評価され、大阪府との共同研究・共同特許の技術を日本広く普及させる為に、CB工法協会が立ち上がりました。

協会内には、CB工法に詳しい専門家の方々が多くいらっしゃると思うのですが、なぜ外部にパートナーを求められたのでしょう?

確かに協会内にはトップクラスの「溶接の専門家」がたくさんいますので、試作機レベルなら簡単に作ることができます。しかし、あくまでも基礎研究分野の専門家ですので、実用的な発想、商品化に必要な最終段階の部分、たとえば使いやすさのためのデザインや量産化が可能な設計などは、民間への委託が必要不可欠だと感じていました。また民間の優秀な技術力を、広くお伝えしたいと考えたからでもあります。

誰でも使え、作業効率が2倍になる「鉄筋自動溶接機」!

今回、開発された「鉄筋自動溶接機」はどんなものなのでしょう?

手作業でCB工法の溶接をする場合、“溶接する人”のほかに“冶具とセラミックをはめる人”も必要です。つまり2人セットでないとできないのですが、「鉄筋自動溶接機」があれば、ボタンひとつ押せば自動的に溶接できます。2人1組でやっていた工程が全て1人で行えるようになるということは、単純に作業効率が2倍になるということ。また人手不足解消のために今後、より利便性、効率性の高い機械を現場に取り入れる必要があります。
また、自動溶接機であれば、1名で複数台を扱うことができる為、より効率の高い作業が行えます。

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建設業界の人手不足は深刻と聞いていますので、歓迎されたでしょうね。

じつは、パートナー企業に求めていたのは、直近に迫っていた「鉄筋EXPO2017」というイベントのデモンストレーション用のマシンだったんです。鉄筋業界が手を組んでこうしたイベントを開催するのは初の試みで大きな意味がありますから、そこに華を添えたいという思いもありました。おかげさまでデモンストレーションでは大いに注目され、量産に向けて好調なスタートを切ることができました。

発注者が何を求めているか、初めてわかった気がした。

すでに試作機を作った経験もあるということで、マッチングを依頼された際の探索シートはかなり具体的な内容だったようですが、オファーがあったのは何社だったでしょう?

20社以上からオファーがあり、うち面接させていただいたのは3社でした。いずれも優秀な技術を持ったメーカーさんでしたが、完成後に継続して量産していただかなければならないことを考えると、ある程度の規模も必要。面談した時の熱意や技術力なども総合的に判断して、最終的にサンアロー株式会社さんにお願いすることにしました。コーディネーターとしては、チャンスの少ない町工場が大舞台にあがれるようバックアップしたい、という思いでやってきましたので、その決定に葛藤はありましたが、発注者が企業を選定する時の気持ちを理解できたのは、大きな収穫でした。マッチングによる町工場の活性化には今後、新たな手法も必要だと感じ、模索しているところです。

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ほかに、発注者としてかかわったことで、新たに気づかれたことはありますか?

発注から完成まで半年弱でしたが、このスピード感は、リンカーズだからこそ。
自力でパートナー企業を探していたら、自分の知っている業界やエリア、協会とつながりのある企業から探すことになり、どうしてもこちらからお願いする形になります。そうすると今回のように、異業種のメーカーから、新しい視点で積極的に逆提案していただくことは期待できなかったと思います。今回はサンアローさんを通じて他業界との出会いもたくさんあり、それも大きな収穫となりました。多くの意味で、リンカーズのマッチングの良さをあらためて実感しました。